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桂吉坊公式ブログ「坊's 茶屋」


皐月五月雨 苗代水に

2019/05/18(Sat)08:30

ウチの師匠の吉朝の出囃子は長唄の「外記猿」の前弾きでした。太鼓が辻打ちというのは、この曲で師匠に教わりました。題名にしたのは、曲の中の一節。三味線の調子が二上がりに変わリ、ここで曲の感じが変わるのを、舞踊会で初めて聞いたときは、別の曲みたいやなーと思ったものです。
辻打ちという太鼓は、如何にもその軽みが寄席の出囃子には合っていて、師匠がニヤリとしながら「ええやろ」と言うてはりました。初めは〆太鼓のみで演奏する手が、なかなか覚えられず怒られました。そんな最中に、林家染語楼師匠が、大太鼓と〆太鼓でいかにもテキトーに打ってはって「!??」となる僕らに師匠は「あれはあれでええねや」と言いながら高座へ上がっていく姿を呆然と眺めました。
ここで言うテキトーは、決して悪い意味ではなく、誠に寄席囃子という感じで、力が抜けて楽しくて、僕ら「こう打たねば」と思ってやっている打ち方は「面白くない」のだと、その時思いました。もちろん、ちゃんと打つのも大事ですが、「そやけど落語やもん」というのが逃げ口上ではなく、原点としてある打ち方は、打つ方も聞く方も楽しいなと、考えながら現実はなかなかそうならない今日この頃であります。

まるで鳴り物の話のためにブログを開いたようになってしまいましたが、
23日は繁昌亭にて玉川奈々福さんとの二人会、そして6月4日は吉坊ノ会渋谷伝承ホールでございます。その宣伝がしたかっただけなのでございます。お席はまだご用意可能、皆様ぜひともご来場ください。

舞踊会といえば、明日19日 国立文楽劇場にて、山村友五郎さん率いる山村流の舞踊会「舞扇会」が開かれます。米朝師匠とは上方風流の同人でもあった、山村糸さんの37回忌の追善も込めてのご一門の会です。資料の展示などに関するお仕事のお手伝いをさせていただきました。もしお時間あられましたらこちらもぜひご覧ください。皆さん必死のパッチで(褒めております)、熱のある華やかな舞台を務められると思います。
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