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桂吉坊公式ブログ「坊's 茶屋」


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2024/05/03(Fri)01:06

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化けたり化けたり!

2010/05/10(Mon)18:29

昨日は、山村流舞扇会「江戸土産 慣(みなろうて)ちょっと七化」に伺いました。
元々3世中村歌右衛門が、山村友五郎(山村流流祖)の振付けで踊った七役(傾城・越後獅子・座頭・業平・橋弁慶・相模蜑・朱鐘馗)を、一門の7人で踊り分けはるわけですが、これがまたおもろい!
七化けを一曲にした「江戸土産」に始まり(これを見てると、後の七化けが全体像からクローズアップになるようで楽しい)、衣装をつけた7人が次々と出てくると、そのたびにお客さんも盛り上がり、暗転なしの2時間はあっという間に過ぎて行きます。また、舞台転換も演奏の長唄を二手に分けて、変わるがわるの出演、基本の部分は変えずに背景を少しづつ転換していくので集中力は途切れず、囃子も変化に富んでいて(変化だらけですね)、そっちも僕は楽しかったです。山村若師も仰ってましたが、今の時代にこれを一人で踊るのは時間の感覚が合わないと思います。7人に分けることでテンポがよくて見あきない、しかし当時の「楽しんでよ!」という娯楽性は全体を通して常に感じることができました。←生意気やねー(笑)。でもほんまに楽しかったんですよ。お客さんも皆笑顔で楽しんでる舞踊会も珍しいです。
最後に、7人が全員出て決まったところなどは(これは7人でやりゃこそできることですね!)、まさに芝居絵が抜け出たという迫力で、朱鐘馗の一段高い所からの見下ろした見得は、後ろのほうから拝見していてもかっこよかったです。
ぜひとも、山村流の方々で再演を重ねてほしいと思います。…メッチャ大変やと思いますが。

それに今回、プログラムに丁寧な解説があって、ロビーにも写真や錦絵が展示されていたこと、開演前に研究者である古井戸秀夫先生の短くわかりやすい解説があったことは、作品を楽しむのに本当に助かりました。不親切でも過保護でもなく、お客さんに伝える…僕自身、勉強になる部分が多かったです。

未だ興奮冷めやらず、簡潔に書いたつもりで大分書きまくりましたが、第一部から通して拝見していると全てのものを喋りで表す噺と、身体で表す舞踊と、どちらも限られた中で限りない表現をするというのがどこかつながっているような気がして、そして今回の復活上演が、時が経っても面白く見せる工夫があることに、なんか自分も頑張らないかんでと、妙に奮起して帰りました。
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