昔、うちの師匠がインタビューで「落語だけで食べていけるものですか」と訊かれて、「何を食べるかにもよりますわな」と言っていたことを思い出しながら、師匠がよく通った蕎麦屋でそば食べてました。
先日、文楽鑑賞教室に行ってきました。毎年6月は、大阪の文楽劇場では初めての方にもわかりやすい、舞台の出演者による解説など楽しみやすい構成になっています。僕が初めて行ったのは高校の時ですから、なんと10年以上ほぼ毎年行ってます。あの当時解説をして中高生の心をガシッとつかんでいた咲甫大夫さんが、「逆櫓」の語りをなさっているわけですから、なんか時間が経つというのはこういうことかと、老けたこと考えてました。
古典芸能は、どうしても敷居が高い、という理由の中で「分かりにくい」ということがあげられると思います。確かに、難しい。でも、なんも考えんと見てもらいたいとも思うのです。演者の気迫というか、やっている人間まで古文書のように思わずに見ていただきたい。ことに今回の「逆櫓」、人物設定もややこしく当時の主従の精神的な関係は理解しにくい所もあります。しかし、です。あの語りの迫力、三味線の音、人形の所作、どれをとっても圧倒されるのは、他にちょっとないと思います。そのくらい文楽の底力を感じるのが、今月の公演です。17日までの短い公演期間ですが、どうぞご覧いただきたい、と思います。
さて、12日の月島の落語会が近付いてまいりました。今回は、助演していただく方もお囃子のかたも東京の方にお願いしてみました。東京と大阪では、三味線一つ、太鼓の打ち方一つとっても雰囲気が違っているのが面白いです。どんなことになりますやら、乞うご期待下さい。
翌13日は大阪で吉朝一門大集合という、皆さまには「一体どんなことするねやろ?」と御期待をいただいている100人限定落語会。どんなことになるのでしょう?出演者の僕も分かってません。
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